樹木解説
高さは1.5-2mになる。樹皮は縦に短冊状にはがれる。葉は対生し、長さ5-12cmの卵状長楕円形または卵状披針形で、先はとがり、ふちには浅い鋸歯がある。質は厚く、表面は星状毛が多くざらつく。葉柄は2-4cm、5月下旬から7月に掛けて、円錐花序を多数だし、直径1-1.5cmの白い花が密に垂れ下がってさく。花弁は5弁、雄しべは10個、
11.05.18小石川植物園 |
11.05.18小石川植物園 |
11.05.18小石川植物園 |
15.06.20東京都薬用植物園 |
補足
ウツギ |
ヒメウツギ |
マルバウツギ |
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雄蕊の 花糸翼 |
ウツギはほぼ四角 | 翼の上端が角(ツノ)のように突き出している | マルバウツギではなで肩 |
若い枝や葉の付け根の毛 | 星状毛が密生して、やや褐色を帯びている |
無毛 |
星状毛が密生して、やや褐色を帯びている |
葉 | 卵状長楕円、卵状披針形、表面は星状毛が多くざらつく |
ウツギより葉が細く長いのが特徴、両面に星状毛が散生(少ない) |
卵円形、卵形、両面に星状毛がある |
小説の木々
夕日に当たる斜面では、黄金色の木漏れ日が射している。それに負けないぐらい豪華な黄色い花をつけ、山吹が重そうに枝垂れている。野イバラが茂みを作り、白い五弁の花びらを慎ましく広げる。甘い香りが鼻先をよぎった。ウツギが枝先に小さな蕾をたくさんつけている。かと思うと、十五メートルはあろうかというアオダモが、泡のような白い花を頭上で揺らす。樫の木に絡んだアケビの蔓の、花は明るい紫色だ。(「神去なあなあ日常」三浦しをん)