ヤマツツジ(山躑躅)

別名 
科属 ツツジ科ツツジ属
学名 Rhododendron kaempferi

性状
半落葉低木
葉の分類
互生、単葉、広葉、切れ込みなし、鋸歯なし
類似
備考

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形

15.04.24筑波実験植物園

樹木解説

高さは1-4m。枝には褐色の毛がある。葉は互生し、楕円形ないし卵状の楕円形で、枝先に集まってつき、質はやや薄く、両面に褐色のあらい毛がある。葉には春につき秋に落ちる葉を春葉と、夏から秋にかけてつき越冬する葉を夏葉がある。 春葉は長さ2-5cmと大きく、夏葉は1-2cmと小さい。 落葉をするが冬の間も葉があるということで、「半落葉」ないし「半常緑」という分類がされる。4-6月頃、枝先に朱赤色または赤色、紅紫色の花が2-3個つく。花冠は直径4-5cmの漏斗形で5中裂する。裂片には丸味がある。 裂片のうち一番上のもの(上弁)には、濃い斑点がある。 雄しべは5本あり、長く伸びて先が上に曲がる。

<ヤマツツジとレンゲツツジ>
ヤマツツジの花弁の先端は丸みがある。上部の花弁に赤い斑点がある(レンゲツツジにも薄い斑点はあるが赤味はない)。 そのため、ヤマツツジは花の中心部ほどより赤味がある。 全体にレンゲツツジより赤味が強い。花のサイズはレンゲツツジよりやや小さい。花期はヤマツツジが先。 一方、レンゲツツジの花弁はやや尖っている。花の中心部は周辺部より明るい。全体の色はヤマツツジより明るいというか、 黄色味がかっている(赤というより、橙色に見える場合が多い)。ヤマツツジは枝の先端から直接複数の花が咲くが、 レンゲツツジの花は基部にやや長い柄があり、それで枝についているように思える。

12.04.05森林公園

12.04.05森林公園

11.04.10森林公園

12.04.24森林公園

樹名:ミカワツツジ(三河躑躅)
学名:R. kaempferi Planch. var. mikawanum (Makino)
特徴:雄しべのは5本、紅紫色
備考:三河地方に分布するヤマツツジの変種

12.04.10小石川植物園

12.04.10小石川植物園

15.04.15小石川植物園

樹名:アマギベニチョウジュ(天城紅長寿)
学名:
特徴:雄しべ、雌しべが異常に長い
備考:

12.05.16神代植物公園

12.05.16神代植物公園

12.05.16神代植物公園

樹名:キンシベ(金蕊)
学名:Rhododendron obtusum var. kaempferi cv. Kinshibe
特徴:花は花弁を欠き、紅色に色づいたしべが放射状にのびる
備考:

14.05.02筑波実験植物園

14.05.02筑波実験植物園

14.05.02筑波実験植物園

樹名:シロヤマツツジ(白山躑躅)
学名:Rhododendron kaempferi f. album
特徴:白花種
備考:

15.04.22花と緑の振興センター

15.04.22花と緑の振興センター

15.04.22花と緑の振興センター

小説の木々

右手の山腹には、ツツジが美しく咲いている。兄はピッケルを肩にかついで、ツツジの見事に咲き誇っている個所に来るたんびに、少し歩調をゆるめる。藤の花も、そろそろ咲きかけている。路は次第に下り坂になって、私たちは滝口に降りた。(「津軽」太宰治)