カエデ(楓の園芸種)

別名 
科属 カエデ科カエデ属
学名 Acer

性状
落葉高木
葉の分類
対生、単葉、広葉、切れ込みあり、鋸歯あり
類似
備考

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形

10.11.11森林公園オオモミジ系ノムラモミジ

樹木解説

「カエデ」は、カエデ科の樹木全般を指す言葉で、葉がカエルの手に似ていることから「蛙手」に由来する。一方「モミジ」は木々が赤や黄色に紅葉することや紅葉した葉を指すが、カエデ類の紅葉が美しいのでモミジといえばカエデ類を指すことが多くなった。また、カエデ類の中でも特に紅葉が美しいイロハモミジ、オオモミジ、ヤマモミジには名前に「モミジ」がついておりこれら3種類を特に「モミジ」と呼び、他は「カエデ」と呼ぶこともある。

ノムラカエデ
オオモミジ系
Acer palmatum Thunb. var. amoenum Ohwi cv. Sanguineum
ノムラモミジは新芽から赤色で、夏に向かって葉は緑色になるが、秋になるともう一度紅葉する。

09.04.29森林公園

12.04.24森林公園

12.04.24森林公園

ショウジョウ(猩々)
オオモミジ系
Acer palmatum Thunb. var. amoenum Ohwi cv. Shyojo
春の新芽は鮮やかな紫紅色、成長が早く繁殖も容易。

09.11.07神代植物公園

09.11.07神代植物公園

09.11.07神代植物公園

タムケヤマ<手向山>
Acer palmatum var. matsumurae cv.Ornatum
別名:紅枝垂

09.04.18上福岡

10.04.24上福岡

10.04.18小石川

アオシダレ<青枝垂>
Acer palmatum cv. Aoshidare

09.04.18上福岡

09.04.18上福岡

15.04.06花と緑の振興センター

補足

梁のそばにある換気口から、街路樹の葉音が入り込んできた。カエデが幼い葉を擦り合せている。この夜が無事にいつもどおりの朝に繋がるよう祈っているようだった・・・秀一の指先に息を吹きかけ、花海が呟いた。「我愛爾」唇がジャスミンの香とともに、秀一の鼻先に近づいてくる。秀一は肌を寄せて眠る自分たちの姿を思い浮かべながら、花海を真似て呟いた。「ウォアイニィ」窓の外でカエデの樹がそよそよと囁きあっている。(「誰もいない夜に咲く」桜木紫乃)

庭の楓の木の真上にあった月が、いつの間にか見えなくなっていた。空はますます勢を増したらしい焔の色を映して明るい。月は、その朝焼けに似た明るさのために消されてしまったのか、或いは既に沈んだのかどうかさだかでない。午前二時になろうとしていた。爆音は疾うに去って、静まり返ったなかに、かなりの風があって、楓の若葉を翻していた。火が呼び起こした風がここまで吹いて来ているのか、と里子は思った。(「この国の空」高井有一)