樹木解説
高さは50-80cmになる。葉は互生し、長さ6-14cmの長楕円形で先はとがり、ふちにはあらい鋸歯がある。薄い革質で光沢がある。6-7月、茎の先に2-3個の短い穂状花序をだす。花は花被がなく、子房の横に黄色い雄しべが1個つく。果実は直径5-6mmの球形で赤色に熟す。
15.12.25上福岡 |
09.11.09分倍河原 |
15.12.25上福岡 |
11.07.02上福岡 |
小説の木々
渡り廊下のなかほどで、渡り廊下と90度をなしている職員室からの廊下を、河村が歩いてくるのに気づいた。腕時計を見ていた彼は隼子には気づかなかった。隼子は簀の子から地面におり、センリョウの陰に隠れて、待った。いちばんいっしょにいてほしいときに、いちばんいっしょにいてはならない人間が、一組のほうへ行き過ぎるのを。センリョウの葉のぎざぎざと赤い実のつぶつぶの、なにも知らなさが、隼子をよけいにひとりきりにした。(「ツ、イ、ラ、ク」姫野カオルコ)