樹木解説
高さ5-10mになる。幹は円柱形で暗褐色の繊維で覆われる。葉は直径50-80cmで、掌状に多数深裂し、裂片は折れ曲がる。5-6月、葉の間から肉質の円錐花序をだし、黄白色の花を密に付ける。雌雄異株。花披片は6個。雄花には雄しべが6個、雌花には雌しべが1個ある。果実は扁球形で、10-11月に藍黒色に熟す。頂生した葉は古くなると裂片が折れて垂れ下がる。
12.05.21上福岡 |
13.02.01小石川植物園 |
12.05.21上福岡 |
08.12.04五反田 |
09.04.26上福岡雄花 |
14.05.08花と緑の振興センター |
12.05.08小石川 |
12.05.08上福岡 |
小説の木々
堤防脇の空き地に車を停め、シュロの植わった庭を抜けると奥に木造家屋がある。洋館を模した古い木造平屋建ての建物が診療所で、渡り廊下で繋がれた二階建ての和風建築が住まいのようだ。玄関脇には濃淡二色の紅いバラが咲き乱れている。(「冬の光」篠田節子)
人が住まなくなった民家を店に改造したのだろう。花のない庭には、支柱も鎖も赤く錆びついたブランコが置き忘れられていた。ドアの両側には棕櫚の木が番兵みたいに突っ立っている。これから髪を切ろうというのに僕は、ガラスに映る髪の乱れを直す。(「海の見える理髪店」荻原浩)