樹木解説
高さは3-4mになる。葉は互生し、長さ4-10cmの卵形で浅く3裂し、ふちには粗い鋸歯がある。7-10月、枝先の葉腋に直径6-10cmの花を開く。花は1日花で、普通紅紫色だが、白や八重咲きなど多くの園芸種がある。花弁は5個で、多数の雄しべは合着して筒状になる。さく果は直径約2.5cmの球形で、熟すと5裂して長い毛のある種子を多数出す。
11.07.02上福岡 |
12.08.04森林公園 |
09.06.13上福岡 |
10.06.19上福岡 |
10.07.08神代植物公園大紫盃 |
10.07.08神代植物公園白一重 |
10.07.08神代植物公園リトル・トミー |
16.10.20花と緑の振興センター |
小説の木々
紗英は立ち止まって庭の木槿を眺めた。白く可憐な五弁の花が美しかった。勘解由とともに花を愛でることもこれからはないのだ、と思うと、胸中にたとえようもないほどの虚しさが湧いてきた。・・勘解由は目を転じて庭の木槿を見遣った。「花は咲くべき時をおのずから知って、何の迷いもなく咲く。それゆえ、あのように清々しいのかもしれぬ」紗英もまた木槿を見た。白い花弁が風に揺れている。朝に開き、夕方にしぼむ儚い花ではあるけれど、儚さを知っているからこそ美しく咲けるのかもしれない。(「はだれ雪」葉室麟)