樹木解説
高さは普通3-5m、大きいものは15mになる。樹皮は灰白色で老木になると縦に少し裂ける。葉は長さ5-15cmの楕円形または倒卵状楕円形で先は鋭く尖り、ふちには細かい鋸歯がある。裏面は淡緑色で脈が目立つ。5-6月、長さ3-6cmの柄のある集散花序をだし、直径約8mmの淡緑色の花をまばらに開く。雌雄異株。花弁と萼は4個。雄しべは4個で、葯は黒紫色から暗紫色。さく果は8-10mmの四角形で淡紅色熟して4つに深く裂けると赤い仮種皮に包まれた種子が現れる。葉が両面とも無毛のものをカンサイマユミ、裏面の脈上に毛状突起や毛があるものをカントウマユミとして区別することもある。
10.09.09昭和記念公園 |
10.09.09昭和記念公園 |
10.09.09昭和記念公園 |
11.05.21森林公園 |
11.05.21森林公園 |
12.07.09上福岡 |
11.10.17広島県帝釈峡 |
16.11.19富士山麓 |
樹名:カントウマユミ |
11.11.01大菩薩峠 |
11.11.01大菩薩峠 |
11.11.01大菩薩峠 |
小説の木々
切株のそばで、ニメートルほどの高さの木が枝を広げていた。細い枝はすでに葉を落とし、かわりに小さな赤い実を無数にぶらさげている。優しい炎だ。遠くから見る街の灯のようだ。「マユミという木だよ」清一さんは言った。・・マユミの赤い火が燃え移ったみたいに、あたりは少しずつ明るくなっていった。最初は薄青く染まった空気が、ついで朝焼けのオレンジに変わり、やがて透明で清浄な朝が来た。(「神去なあなあ日常」三浦しをん)