樹木解説
高さは5-15m、大きいものは30mになる。樹皮は紫黒褐色で縦に裂ける。葉は大形の奇数2-3回羽状複葉で互生する。小葉の長さは3-6cmの卵形または卵状楕円形で、先は鋭く尖っており、基部はゆがみ、ふちには不揃いの鈍鋸歯がある。5-6月、新しく伸びた枝の葉脈から長さ10-15cmの複集散果序をだし、淡紫色の小さな花を多数開く。花弁は5個で長さ8-9cmの倒披針形。雄しべは10個あり、紫色の花糸が合着し筒状になり、その上に黄色の葯がつく。萼片は5個で褐色の短毛が密生する。果実は10月頃黄色に熟し、核果で長さ約1.7cmの楕円形、葉が落ちた後も長く枝に残る。
09.06.27上福岡 |
12.11.16愛媛県愛南町 |
15.05.11東京都薬用植物園 |
15.05.11東京都薬用植物園 |
10.12.15東京都薬用植物園 |
10.12.04上福岡 |
15.05.11東京都薬用植物園 |
11.05.24神代植物公園 |
小説の木々
運動も、勉強もそこそこ。大人しい、目立たない奴だった。親父が博打好きの酒乱で、ただでさえ貧しい小作の家は赤貧洗うがごとしで、昼飯の時間は弁当がないからいつも教室を抜け出して井戸の水で腹を膨らませていた。そして、校庭の隅の栴檀の樹の陰にぽつんと膝を抱えて座っていたっけ。教室の窓から見る泰助は背を丸め、うつむいて、とても寂しそうだった。眼が合うと、気弱に笑った。(「彷徨う刑事」永瀬隼介)