樹木解説
高さは10-15mになる。樹皮は黒褐色で厚く、縦に裂け目がある。葉は枝先に集まって互生し、長さ10-30cmの倒卵形または広倒卵形で、ふちに波状の鋸歯がある。5-6月、長さs10-15cmの雄花序が垂れ下がり、雌花序は本年枝の葉腋につく。堅果は長さ1.5-2cmの卵球状で下部は総苞片は密生する殻斗に包まれる。
12.07.02成増 |
09.05.01小石川植物園 |
12.07.02成増 |
09.08.23上福岡 |
10.05.22森林公園 |
15.04.15小石川植物園 |
09.12.04昭和記念公園 |
16.04.10高遠 |
小説の木々
雪を踏みしめながら、いまだに枯れ葉をつけている木々を眺めていると、ああこれが直行さんがよく語っていた柏の木かと、古い知己に出会ったような気がしていた。北海道で原野と呼ばれているところに柏の木のないところはなく、それは土地の悪いことの証明で、農民から見ると有難くないらしいのである。「はじめて原野で冬を迎えた時は、雪が積んでも枯葉をつけた柏の木を見て、ひどく興味をおぼえた。それは単調と荒寥の冬の原野の風景には、まったくこの上もなくふさわしい点景物であるし、冷たい色ばかりの冬の原野にはただ一つの暖かい色彩の流れでもある。武骨で粗野な柏は、また恐ろしく強靭で、生活力絶大な原野の立役者である。原野の柏、柏と開拓者。開拓者にとって柏の木ほど縁の深い木もないだろうが、原野を歩いた登山者にとっても柏の木ほど印象に残る木も少ないのではあるまいか。」(「旅をする木」星野道夫)