メグスリノキ(目薬の木)

別名 チョウジャノキ
科属 カエデ科カエデ属
学名 Acer nikoense

性状
落葉高木
葉の分類
対生、複葉、三出複葉、切れ込みなし、鋸歯なし
類似
備考

参考: 葉っぱでおぼえる樹木(柏書房)/日本の樹木(山と渓谷社)/樹に咲く花(山と渓谷社)

樹形

11.12.11東京都薬用植物園

樹木解説

高さは10-20mになる。灰色の滑らかな樹皮を煎じて洗眼薬にするのでこの名がある。若枝には皮目があり、灰白色の毛が多い。葉は三出複葉で対生する。小葉は長さ5-12cmの楕円形で、ふちに不規則な鋸歯がある。裏面、特に脈上には灰褐色の開出毛が密生する。5月頃、葉と同時に枝先に白色の花が2-3個咲く。花弁と萼片は5個。雄しべは10-20個あり、雌花では短い。子房には毛が密生する。翼果は長さ4-5cmと大形で黄褐色の毛が密生し、あまり開かない。

08.11.24森林公園樹皮は皮目が目立ち灰褐色

08.11.24森林公園葉は三出複葉

09.04.29森林公園

10.10.06東京薬用植物園

09.11.29森林公園

10.11.11赤塚植物園

10.12.09神代植物公園

13.09.23東京都薬用植物園

小説の木々

カエデの一種にメグスリノキという木があり、別名<千里眼の木>とも呼ばれる。九州や四国の山奥に分布するが、この樹皮を煎じた汁で、目を洗うとかすみ目や疲れ目に効くという。このメグスリノキが生えている場所を知っており、ひそかに樹皮を採ってきては目薬を作るのだ。さすがに雨宮家の人々が世間体を慮って諫言したが、「眼病を治療する薬をつくるのは人の道にはずれてはおりません」と、やめようとしないという。(「いのちなりけり」葉室鱗)