樹木解説
葉は互生し、掌状複葉で5枚の小葉があり、長さ約6cmの狭長楕円形で全縁。小葉の葉は、先端にわずかにくぼみがある。類似のムベは常緑でアケビは落葉である。4-5月、葉の間から総状花序をだし、淡紫色の花を開く。花には花弁はなく3個の萼片がある。雄花は花序の先に数個つき。直径約1cmで雄しべは6個。雌花は花序の基部に1-3個つき雄花より大きく柄も長く、雌しべは3-9個。果実は長さ約6cmの楕円形で、熟すと裂ける。
12.08.23成増 |
09.04.18上福岡 |
09.04.18上福岡雌花 |
09.04.18上福岡雄花 |
09.07.12上福岡 |
11.04.11上福岡 |
11.04.11上福岡 |
13.03.20観音寺市 |
樹名:シロバナアケビ |
10.03.27小石川植物園シロバナアケビ雌花 |
10.03.27小石川植物園シロバナアケビ雄花 |
12.04.10小石川植物園 |
補足
アケビ | ミツバアケビ | ゴヨウアケビ | ムベ | |
葉 | 落葉 | 落葉 | 落葉 | 常緑 |
小葉 | 約6cm狭長楕円 掌状5枚 |
4-6cm卵、広卵形 三出3枚 |
卵形 掌状5枚 |
6-10cm楕円、卵形 掌状5~7枚 |
葉縁 | 全縁 | 鋸歯あり | 鋸歯あり | 全縁 |
花 | 淡紫色 | 暗紫色 | 淡い暗紫色 | 外は淡黄緑、 内は暗紅紫色 |
実 | 6cm楕円裂開 | 10cm楕円裂開 | 結実しない | 裂開しない |
小説の木々
夕日に当たる斜面では、黄金色の木漏れ日が射している。それに負けないぐらい豪華な黄色い花をつけ、山吹が重そうに枝垂れている。野イバラが茂みを作り、白い五弁の花びらを慎ましく広げる。甘い香りが鼻先をよぎった。ウツギが枝先に小さな蕾をたくさんつけている。かと思うと、十五メートルはあろうかというアオダモが、泡のような白い花を頭上で揺らす。樫の木に絡んだアケビの蔓の、花は明るい紫色だ。(「神去なあなあ日常」三浦しをん)