樹木解説
高さは25mになる。樹皮は灰褐色で縦に浅く裂ける。葉は革質、長さ10-20cm、枝に螺旋状に互生する。雌雄異株。5-6月に開花し、雄花は長さ約3cmで円柱形、雌花は長さ約1cmで花床の上に1個ずつつく。果実は緑色のややいびつな球形で9-10月頃熟し、赤色の托葉の上につく。
08.12.06森林公園 |
08.12.06森林公園 |
16.05.15神代植物公園雄花 |
10.10.05成増 |
小説の木々
玄関には入らず、逸夫は庭の縁をたどって家の裏側に向かった。途中にいくの部屋の窓があり、そのすぐ外側にイヌマキが生えている。秋が深まった頃になると、いくが根元にカラフルな蓑虫を置くイヌマキだ。地面に置かれた蓑虫は、そのまま放っておくと勝手に幹を這い上がり、枝先に糸を巻きつけてぶら下がる。しかし今年は、まだぶら下がっていなかった。線香の箱から出してやるのを忘れているのだろうか。(「水の柩」道尾秀介)