樹木解説
花弁と雄しべが合着する点はツバキと同じだが、花弁(花びら)はサザンカと同様に、一枚ずつばらばらになって散るので、ツバキとサザンカの両種の特徴を併せ持つ。枝は横に広がりあまり高くならない。これに対して枝が上に伸び高さ3mほどになる品種は、立寒椿(タチカンツバキ)といって区別する。
葉の長さは2.5-6cmの長楕円形、先端はとがり、基部はくさび形。表面は濃緑色で光沢があり、ふちには鈍い鋸歯がある。遅咲きで12-2月に開花する。花は桃紅色の八重で直径7-9cm、花弁は14-18個、先端は浅く裂け、ふちは波打つ。
08.11.01浜松町 |
08.11.10浜松町 |
09.11.04浜松町 |
11.01.05上福岡白い寒椿 |
樹名:シシガシラ(獅子頭) |
13.02.01小石川植物園 |
13.02.01小石川植物園 |
13.02.01小石川植物園 |
小説の木々
庭一面に広がる寒椿の蕾が、大きく膨らみ始めていた。開花まで、あと少しの辛抱ですよ。妙慧尼の面には、久し振りの笑みが浮かんでいた。辛いことばかりだった今年も、残すところ一月余りで、ようやく終わろうとしていたからである。この花が咲く頃には、悲しいことが忘れられますように。・・・庭に広がる寒椿に誓うかのように、妙慧尼は女としての人生に決別した。(「城を嚙ませた男」伊東潤)